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人々のこの思い違いを私が大いに笑い飛ばしたと思われるかもしれない。だが、それは私には出来なかった。それ自体さほど重要ではないこの体験は、結果として私に人生の第二の大きな転機をもたらした。  思い出して頂きたい。最初の転機は、詩人になるという決意を自覚したその時に生じた。それまでの模範生ヘッセはその時から悪い生徒になり、罰せられ、放り出され、何の役にも立たず、両親に次々に心配をかけ自分も苦しんだ――それもみな、ともかくそこにある、あるいはそうあるように見える世界と、自分自身の心の声との間に和解の可能性が見えなかったからだった。同じことが今、戦争中にあらためて繰り返された。自分がこれまでは仲良くやってきた世界とまたもや衝突していることがわかった。またもやすべてが上手く行かず、またもや一人ぼっちで惨めだった。またもや言ったり考えたりすることが他の人々に敵意を持って誤解された。またもや、自分にとって願わしく、まともで良いと思われるものと現実との間に、絶望的な深遠が横たわっているのが見えた。